いつもの朝、いつもの太陽
そう…何も変わらない朝だった
一話 旅立つ日 〜前編〜
天気は快晴、風はそんなに強くなく ちょうど良い。
そんな穏やかな天候に恵まれた、『マザーツリー』の下の村
マザーフット
そこに住んでいる、一つの家族の朝が始まった。
「お母さん、またロサとエクが起きないよぉ」
三つ編みをおさげにした少女が困った顔で、目の前で“目玉焼き”を焼く
母に話しかけた。
「はぁ〜〜…… また あの二人なの?ナリィ」
「うん」
焼きおわった“目玉焼き”をお皿に盛りながら
「キム、オタマ取って」
ソファーに座って水晶をのぞいているキムに頼んだ。
「…いいよ」
「あっ ナリィとキムは、ちゃ〜〜んと耳塞いでてね」
「「うん(は〜い)」」
ナリィとキムが耳を塞ぐのを確認してから、
オタマとフライパンを、階段の前で高く上げて
「秘技!!死○の目覚め!!!」(某 運命という名の物語より)
ガン ガン ガン ガン !!!!
ガバっ!!
「殺される!!!」
一人の少女が顔を真っ青にして、階段を転げ落ちるかのように下りて来た。
「ぉ、おはよぉ……」
「ふふふふふ…… エ・ク・ちゃん これで何回目だと思ってるのぉ〜〜?」
「あの…その…あぅぅ」
「まぁ、罰ゲームは後にして、ロサ起こさないと」
2階に行く母親を見送る3人
「「「(ロサ(ロサ姉)大丈夫かなぁ」」」
それは神のみぞ知る……
数 分 後
全員がやっと席に着いた。
「ロサ、大丈夫?ボロボロだよ?」
「んっ、大丈夫」
本人は大丈夫と言っているが、全然大丈夫そうに見えない。
「少し体がビリビリするだけだし」
問題発言を残して、ロサは台所に行った。
「それにしても、どうやって母さんはロサ姉を起こしたの?」
「あらあら。うふふ、知りたい?」
満面の笑みだが…目が笑ってない
「(怖っ!!)ぅ、ううん; それよりおなかすいた…」
「そうね、だいぶ時間がたっちゃったもんね」
「おなかすいた〜」
台所から帰ってきたロサは、きれいにキズが消えている
「煤Iいつの間に治ったの!?」
「じゃっ 食べましょうか」
「「「うん」」」
「ちょっとまっ「ほらほら、早く食べないと冷めるわよ、エクちゃん」
「今回は、私がサラダ作ったんだ」
エクのツッコミは、すっごく無理矢理流されたが、
それは、軽くスルーして、
「「「「「いただきまーす」」」」」
やっと平和な朝食がはじまった。
「あ、ロサとエクは、ご飯を食べ終わった後、パン買いに行ってね」
「うん、分かった」
「え〜 なん「いいわよね?」
ぅ… っ〜〜〜……分かったよ…」
ロサは素直に返事をし、エクは、半ばカウルに脅されつつ返事をした。
この時のお母さんはとても怖かったです。 byナリィ
「はあ…なんでおつかいしなきゃいけないんだろ」
「いいじゃない、これでバツゲームがちゃらになるんだから」
「そうだけどぉ…」
トボトボ…という効果音が似合いそうな二人―――
「でっ ロサ姉、何買えばいいの?」
エクの言葉にロサはふところから紙を取り出した。
「ぇーーー… 『フランスパン2本、食パン2斤』だってさ。 ……ん?」
「どうしたのロサ姉」
「いや、赤い字で“入る時注意”って書いてある」
「?なんだろ それ」
そんな会話をしているうちに、パン屋に着いた。
「意外に普通のパン屋だね」
「変わった所もなさそうだし…なんで“入る時注意”なんだろ」
首をかしげる2人―――
「まっ 入れば分かるか」
「一応、武器を用意しといてね」
ロサがゆっくりと扉を開けると、
パキューン!!
ロサの頬を、一発の銃弾が横切った。
「ロサ姉!!大丈夫!?怪我はない!?」
「大丈夫。少し髪が切れただけよ」
「よかったぁ… それにしても、相手はどこにいるんだろ」
店内を見るが、見つからない…
「スナイパーね」
「すないぱーって?」
「遠くから敵を打ち抜く人のことを言うのよ」
もう一回店内を見ると、カウンターに人影がある
「そこだっ!!」
「ただのおつかいだったのにぃ」
ロサとエクが攻撃を仕掛けようとしたら…
「ははははは、ごめん、ごめん。お願いだから本気にならないで」
手をあげてカウンターから人が出てきた。
「何もしないから。武器、おろしてくれないかなぁ」
「本当に?」
「武器をおいたとたんに攻撃しないよね」
「えぇ。 私はマナ、このパン屋の店長よ」
「「えっ!?」」
「はははは。ビックリした?」
まるで、子供のいたずらが成功したかのように笑うマナ。
「あの〜〜 これって…」
「何ですか?」
「カウルに頼まれたのよ」
嫌な予感がした 2人―――
「もしかして、これが…」
「バツゲーム?……」
「ピンポーン 大正解!!」
「「(うぁ〜〜〜……)」」
ドヨ〜ン、と、2人の周りが暗くなる。
「で、なんのパンがほしいの?」
「ぇ?あっ! フランスパン2本と食パン2斤です」
「分かった。 ちょっと待っててね〜」
奥の部屋に行くマナを見送った。
「ねぇ、ロサ姉。 もしかしたらなんだけど…」
「それ以上言わないで。…なんか、かなしくなってくるから……」
ロサとエクは、母親の(黒い)笑顔が思い浮かんだ
いつのまにか、マナは奥から戻ってきていた。
「はい。フランスパンと食パンね」
「ありがとうございます。代金は…」
「あぁ、…代金はいらないよ」
「えっ!?いいんですか?」
「カウルと私の仲ってことで」
「「はぁ…;」」
「じゃ、カウルによろしく言っといてね!」
マナにわかれをつげて 帰路につく。
「ねぇ、ロサ姉。―――ロサ姉は外の世界、見たことある?」
「ううん、ないけど… どうしたの?」
「……あのね、一回でもいいから、旅に行きたいな、っておもって…」
「帰ったら、母さんに聞いてみる?」
「そうしよ!」
その後、2人は、外の世界がどんなものなのか話し合った。
風景、人、服、…その他たくさんのこと。
外の世界に夢をいだいて…
「「ただいま〜」」
「あら、お帰り。意外にはやかったわね」
にこにこと笑っているカウル。
2人はもう怒っていないことに安心して、フランスパンと食パンが入ったバスケットをテーブルに置いた。
「それにしても、 母さん、あれはひどいよぉ〜」
「あらあら、誰もバツゲームがおつかいだけなんていってないわよ」
「「うっ;」」
2階から、ナリィとキムが下りてきた。
「あっ、2人とも帰ってきたんだね」
「おかえり〜 大丈夫だった?」
「キムはあれのこと知ってたの!?」
「ううん。ただ、2人に災難の相が出てたから」
キムは水晶を見る。
「そんなら早く言えよっ!!」
「面白くないじゃん」
「オイ!!」
エクとキムのやりとりは、はたから見れば漫才である。
「はいは〜い、漫才は止めて。訓練、始めるわよ」
さっきまで部屋の中にいたカウルが外にいた
「「「「はーい」」」」
「(?あれー?なんか忘れてるような?)」
皆が外にでると、
「あっ マナお姉ちゃん!!」
「どもっv」
「どうしたんですか?」
「うん…ちょっとね。…カウル、いい?」
「いいわよ」
カウルが子供たちの方を見て、
「母さん、マナと大事な話があるから。皆は自主練してて。 ロサ、ナリィ、たのんだよ」
「分かった」
「うん。はやめにきてね」
カウルとマナは家の中に入っていった。
「どうしたんだろう」
「お母さんのあんな顔見たの、初めてだよ」
「うん」
家のドアの前で話す、エク、キム、ナリィの3人。
すると、おもむろに中から声がもれてきた。
『…ツリー……戦争…』
『そんな…!……繰り返………』
『…〜〜』
それ以上は聞き取れない
「“ツリー”、“戦争”」
「“繰り返す”」
「どういう意味なんだろう…」
「3人とも、なにやってるの?後で母さんに怒られるよ」
「「「!やばっ!!」」」
3人はロサに言われ、いそいそと練習所に行く
「今回は2手に分かれて練習試合しよっか」
「賛成〜」
「うん」
「いいよ。 どうやって分ける?」
そんな話をしていると、家のドアが開いた
「ありがとう。気をつけて帰ってね」
「えぇ…」
2人の表情はどことなく曇っている
「マナお姉ちゃん、もう帰るの?」
「うん。 お店、開けっ放しで来ちゃったから」
「そうですか。お気をつけて」
「「また明日」」
「おう! じゃあねぇ〜〜」
マナが帰るのを見送る5人
「母さん、何話してたの?」
「うん…ちょっとね」
「私達に言えないことなの?」
「…ごめんね」
その後、みんなは母親にそれ以上質問することはなかった。
母親が聞いてほしそうになかったし、
それに
母親のあんなつらそうな顔見たことなかったから―――
「それで、今から何しようとしてたの?」
カウルがロサに聞いた。
「二手に分かれて練習試合しよっかな〜と思ってたの」
「そうなんだ… じゃあ、お母さんもまぜてもらおっかなぁ」
母親の言葉にみんな驚いた。
「えっ!?母さんできるの?」
「当たり前じゃない。みんなに武器の使い方、魔術を教えたの誰だと思うの」
「「「「(お)母さん…」」」」
(カウルを除く)全員が固まった。 今まで母親がjobに入っているなんて聞いたことがなかった。
そんな4人を後目に、武器を取りにいくカウル
いち早く硬直から戻ったロサが母親に質問する。
「ハッ! 母さんは何のjobなの?」
「ん? 剣士だよ」
ニコニコ笑いながら、全員分の武器を持ってきた。
「はいはい、いつまで固まってんの。やるよ、みんな」
「「「うっ うん!!」」」
ナリィとエクとキムの声がかぶる。
「あっ、そうそう、ロサは 金(くろがね)と銀(しろがね)をつれてきて」
「えっ!? それじゃあ…」
「ロサは立派な “獣使い” よ」
「やったね!ロサ」
「おめでとう!ロサ姉」
「よかったねぇ」
「ありがとぉ」
嬉しそうにロサは家の中に入っていった。
「さてと、ナリィにはロッド、エクには短剣とクナイ、キムは魔術書」
「お母さん ありがとう」
「うわぁ〜 ピカピカだぁ」
「うん、ぜんぜん使われてない」
そこにロサが帰ってきた。
その後ろには綺麗な色のオオカミをつれて。
「呼んできたよ、母さん」
「よぉ〜し、契約をすればよし、と」
「契約?」
カウルの言葉にロサは頭の上に?を浮かべながら聞く。
「うんうん。契約をすれば、金と銀の言葉が分かるようになるのよ」
「本当!?」
「いいなぁ〜〜。私も、金と銀とお話したいよぉ」
プクゥ、と頬を膨らませるナリィ。
「可愛い〜vナリィ〜vV だけどね、獣は一人としか契約できないのよ」
「そんなぁ・・・」
「話したいときは私が通訳してあげるから」
「――!うん!」
やったぁ!、と喜ぶナリィ。
それを見て、私も、と頼んでいるエクとキム、
そして、見守る母親カウル。
ロサとエクは何かを忘れているような―――?
「あ、そうそう。ロサには銃ね」
「ありがとう」
カウルはロサに、新しい銃をあげた。
「そういえば、母さんの武器は何なの?」
「ん? 母さんの武器は刀よ」
エクの質問にやさしく答えるカウル。
「へ〜 かっこいいね」
「ふふ ありがとう。 ――――さてと」
カウルは、大きな庭に移動する。
「何をするの?」
「契約するための魔法陣を書くのよ」
「手伝うよ」
ロサとカウルの話を聞いていた3人が、
「私も書きたい!」
「何を持ってくればいいの?」
「陣って、どれくらいの大きさなのぉ?」
と、騒ぎだした。
「はいはい。一気に聞かれたら答えられないわ」
カウルは、一人一人の質問に答えていった。
「じゃあ、用意はいい?」
「「「「うん!(はーい)」」」」
みんなで魔方陣を書き始める。
たま〜に失敗をしながら・・・
何十分かした後、庭に大きな魔方陣が現れた
「よし!完成〜♪」
「やった〜〜!」
「と、喜ぶ前に・・・ロサ、契約を結ぶわよ」
「うん」
ロサ、金、銀は魔方陣の真ん中に立つ。
「契約の言葉、覚えているわよね」
「大丈夫だよ」
魔方陣が光り出す
「≪我が―――
ロサが手のひらを切る・・・≫」
すると、光が強くなり、ロサと金と銀を包み込んだ。
「お母さん・・・ロサは大丈夫なの?」
「大丈夫、大丈夫。――ほら、ちゃんと見てごらん」
カウルはまだ光に包まれている魔法陣を指差す。
光が徐々に弱まっていき、ロサが見えるようになってきた。
「あ、ロサ姉!」
ロサの姿を確認したエクが、大声で言った。
「それじゃあ・・・・・・成功、ってこと?」
「えぇ、大成功よw」
ロサはみんなの前に来て、
「つかれたぁ」
と、少し小さめの声で言った。
「お疲れ様」
「「ガウゥ〜」」
「ふふふ、金と銀もお疲れ様」
カウルは二匹の頭を撫でてやる。
「ねぇねぇ、ロサ、金と銀はなんて言ってるの?」
「それはね、【おなかすいた】って言ってるの」
「そういえば、まだお昼食べてない」
太陽は高く上がり、カウル達の真上で照っていて、お昼を示していた・・・・・
「ああ〜〜〜!!お鍋の火、つけっぱなしで来ちゃった!!!」
「「「「ぇえ〜〜!!」」」」
カウルは走って家の中に入っていく。
その後を、四人も続く
「あぁぁ〜こげてるぅ〜〜;」
「ぅわっ; 黒!」
「お母さん・・・これ、本当は何だったの?」
「シチュ〜〜; うぅ〜〜|||」
「お母さんが失敗するなんて、珍しいね」
母親の前には真っ黒に変色している、シチューだったものがあった。
見てるだけで分かるくらいに、カウルは落ち込んでいた。
「大丈夫だよ。ただ、シチューが焦げてカレーになっちゃっただけだって」
「それフォローになってない。ってか、そんなこと言ったら落ち込むだろ!!」
「あれ? 母さんは?」
いつの間にか消えている母親。
全員で部屋を探すと、台所の隅っこで【の】の字を書いて、泣いていた。
「どうしたのお母さん、泣いて」
「母さんが泣くなんて、めずらしい・・・」
「らっテェ〜〜グスッ びんだの〜ェッグ おびデュがぁ〜ヒック」
カウルにハンカチを差し出すロサ
「ほら、母さん泣かないで」
「違うの作ればいいじゃない」
「「ガウガウ」」←訳:そうそう
子供と動物になぐさめられている母親・・・
いろんな意味で、異様な光景だ。
「あリガどォ〜 ぞうズる・・・」
「何が残ってるかなぁ?」
「ジャガイモと、ニンジンと、タマゴとパンがあるよ」
「それで何か作れると思うけど・・・」
何がいいかなぁ、と悩む三人。
「コロッケサンド食べたい」
キムの一言で、お昼はコロッケサンドになった。
全員が手伝ったので、すぐにコロッケサンドはできた。
「ふぅ、やっと食べれるね」
「もう二時になっちゃったけど・・・」
「夕飯は遅くてもよさそうだね〜」
ははは〜、と笑いながら、自分の席についた。
「でわ・・・」
「「「「「いただきま〜す」」」」」
「あっ そういえばロサ姉、あの話」
「ん?あの話って何?エク、ロサ」
「うん。実はね、私達・・・・・・」
――旅に出たいんだ・・・――
クル クル まわる
運命の歯車
どうしてまわるの?
なにをまきこんでまわるの?
クル クル まわる 壊れるまで
ずっと ずっと
まわり続ける
静かに鳴り出した歯車の音
もう だれにもとめられない
クル クル まわる
運命の歯車
どうしてまわるの?
なにをまきこんでまわるの?
クル クル まわる 壊れるまで
ずっと ずっと
まわり続ける