思い出すのは、13年前のあの日


幸せをもらったのもあの日





すべてあの日から始まったのだ










幸せ+帰る場所≠私の家族







たまに思い出すことがある


それは、妹たちと練習をやっている時
ちょっとしたことで家族みんなで笑う時
自分一人しかいない時

そんな、家族のありがたみを心の奥底から感じた時に
あのことを思い出す

ああ、すべてがあの時から始まったんだ







































13年前



私がまだ6歳のとき・・・


戦争が終わり、みんなが久しぶりに会えた家族と再会を喜んでいた

だけど、私は一人

私には、もう家族といえるものがいなかった

父は戦争で、母は私をかばって

私は一人・・・

「何で私だけ生き残っちゃったの」

見上げた空は、憎たらしいほど蒼い


「ねぇ、あなた家族は?」

ふっ、と声がしたほうを向くと、女の人が立っていた
優しい笑顔でこちらを見ている

周りには人がいないから、たぶん私に話しかけているのだろう

「もしかして一人?」

コクッ

「そっかぁ、あたしも一人なの」

私の隣に座る女の人

何が目的なのだろうか
もしかして誰かに売りさばくのか
それとも、・・・

嫌なことが頭によぎった


ガタッ!

いきなり立ち上がる女の人

「よし!今日からあなたとあたしは家族だw」

・・・・・・・

「はい?」
「そうと決まれば家に帰りますかw」

私の手を引っ張る女の人

私の意見は無視ですか?

「あたしはカウル、あなたは?」

「・・・・ロサ」

「ロサ・・・いい名前ね」

カウルが繋いでいた手を離す

今なら逃げ出せるけど
なぜか私は逃げ出せない

“家族”

いきなりだったけど、とても嬉しかった

だって、もう私には家族はいないと思っていたから

だからとても嬉しかった

まだ自分の気持ちは、分からないけど
この人と一緒にいたい・・・・


「カウル」


まだ言ってなかった返事


「ん?どうしたの?」


不器用な返事でもいい?


「母さんて、呼んじゃだめ?」


これが、今私ができる精一杯の返事だから


「何言ってるの、今日からあなたとあたしは家族なんだから、呼んで言いに決まってるじゃないw」


どうか分かって


「そっか・・・、今日からよろしく・・・・“母さん”」

差し出された手をぎゅっと握る

久しぶりに人の体温を感じた








































あれから13年、最初は二人だけだったけど
あれから増えて、5人と2匹の大家族ができた


すべてが満ち足りた生活





「ロサ、どうしたの?」

私に光与えてくれた人

「ううん、ただちょっとね」

いつまで、この幸せが続くのだろうか
いつ失ってしまうのだろう
もしかしたら、明日には・・・

「大丈夫よロサ、ここがあなたの居場所よ」

私の心に差した黒い影を一瞬にして消してくれる温かい言葉

この人には、すべてを見透かされてしまう
嘘なんて付けたもんじゃない

――だけど、それがいい

「そうだね」

――私たち家族には、嘘なんて必要ないから・・・








【闇から私を救ってくれたあなたは、今でも私を照らしている】

















――必要なのは、偽りのない笑顔といつも暖かい帰る場所――







-− 幸せ+帰る場所≠私の家族 終 −-